2010年08月26日

風は秋色

hatter-engawa400.jpg

風は秋色

「えっ、二郎ったら、今日はストーンヘンジまで行ったんですって
気を付けなさいよ、バッテリーが持つのは4時間ですからね」

「わかってるよ、バッテリーで動いてるこの体とメモリーのデータが
八田二郎の仮の姿なんだろ
じゃあ、本当の八田二郎はどこにいるんだよ
僕なんか生まれてこなきゃよかったよ」

「二郎ったら、母さんに向かってなんて口のききかたするの!
メモリーの中身が八田二郎、あなたよ
本当の八田二郎なんてどこにもいないわよ
たとえばさあ、田中角栄なんていう政治家、本当にいたのかどうかもう誰も
わかんないでしょ、でも地デジのメモリーには時々保存されてるのよ
それが田中角栄よ」

「なんなんだ、そのモナカカクテキって、食べたらおいしいのか」

「だめでしょ、そんなにアリさんを踏み潰しちゃ
アリさんには命があるのよ、あなたと違ってね
ほら、風鈴の音色も秋のトーンに変わってきたわ
はやく、夏休みの宿題を済ませなさいよ
来週からコートダジュールにリゾートに行くんだから」

遠くでは鳴き方を覚えたばかりのツクツクボーシがぎこちない
夏のエンドロールを流していた
そういえば風は秋のウコン色になってきたようだ

今日の晩御飯はカレーのようだ

そういえば昨日もカレーだった

おとといもカレーだったよな

「カレーはなんで辛いんだ〜」

そう言ったとたん、リチウムポリマーバッテリーの電圧が低下し

八田二郎は気を失った

 

posted by gokrak108 | Comment(0) | 絵日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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